車も動かす、藻オイルの底力

藻類は、地球上最古の生物の一つだそうだ。陸上植物よりずっと前に地球上に現れ、地球の大気を作ったとされている。昆布やワカメなど大きなものから、湖沼などにいる小さな藻までを含めると、これまでに分類されたものだけで約4万種類、未記載種は少なくとも30万種類以上で、1千万種入るだろうと推定される生物だという。
その中のいくつかの藻を使ってエネルギーを生み出そうという研究がいよいよ実証段階に入り、現実味を帯びてきているという。藻類に含まれるオイルを抽出し、液体燃料化しようというプロジェクトだ。
日本で1980年代から藻類バイオマスの環境研究および藻類バイオ資源利用の研究基盤整理をリードしてきたのは、筑波大学藻類バイオマス・エネルギーシステム開発研究センターの渡邉信センター長・教授だそうだ。
藻類からエネルギーを作り出すことになった歴史的背景を渡邉教授はこう説明する。
「藻類そのものがオイルを貯めるというのは昔から分かっていることでした。それで、第一次石油ショックの時に、『いつまでも化石燃料だけでは不安定である。バイオ燃料を展開してみよう』とアメリカのエネルギー省が『藻類からバイオ燃料を』というプロジェクトをスタートさせました。これは1978年から始まり、石油が安値安定した1996年まで続きます。藻類がどれだけオイルを作るか、大量培養した時にどれぐらい経済性を持っているかなど基礎的な研究がここでなされました。アメリカのすごいところは、得られた知見を研究終了後2年経って何百ページもの報告書にまとめて公開したことです。そのデータは、いまでも役立つもので、参考になります」
藻類バイオマスエネルギーの動きが大きく動き出すのは2007年に入ってからだ。渡邉教授は、これより一足早く2004年から本格的実証実験に入っているそうだ。2011年にはマツダと協力して、抽出した藻類炭化水素を使った自動車の走行実験を行う。
こうした研究実験を進める一方で、渡邉教授は2013年、福島においてさらに画期的な藻類エネルギー開発研究プロジェクトをスタートさせる。「土着の藻類」を使った新しいプロジェクトである。
「福島の復興のために藻類から燃料を考えてほしい、と頼まれて始めたものです。それで、福島の気候と環境に合った土着の藻に栄養分を与えて増やそう、とやってみました。すると、その土着の藻が、寒いときであっても凍らない限り、夏場と同じようにすごい勢いで増えました。ところが、オイル含有量を調べたらわずか5パーセントほどしかない。さて、この問題をどう解決しようかというので考えたのが、「水熱液化」という技術でした」
この技術を利用すると含有オイルだけでなく炭水化物もオイルになるため、5パーセントしかなかったオイル含有量が44パーセントにもなったという。技術的に効率がもっと良くなっていけばさらに良くなっていくことが予想される。
藻が持っている潜在力は、燃料だけでなく農業、水産業、医学、化学工業への用途と幅広い。そうした分野でも可能な限り実用化に持っていけるように研究開発を進めたいと渡邉教授は話す。
藻は燃料不足や多くの分野の問題を解決してくれるかもしれないすごい存在なのだということに驚いた。技術が進み、さらに藻の潜在力を引き出して活用していってほしい。

英国王子は仕事が嫌い?

英国のウィリアム王子一家のスキー旅行の写真が公開された。これにより英各紙は、いつも公の目に触れたがらない王子への不満と、「王子は仕事嫌い」だという批判を強めた。
英王室が公開した、王子一家のプライベートスキー旅行の写真は、英各紙の一面を飾ったが、王室には対する視線は冷ややかだ。
英大衆紙サンの見出しは「またとんずら・・・仕事嫌いの王子、家族連れでスキーに」というもの。サンは通常なら王室寄りの記事を載せるのだが、王子を「やる気のない王族」、祖母のエリザベス女王の3分の1程度の仕事しかできていないと批判している。
ダイアナ英元妃はパパラッチのストーキングの果てに自動車事故で亡くなっている。このため王子のメディア不信は深いとされているが、批判する人々は、王室の任務には、メディア対応と公務の遂行も必要だと主張している。
ウィリアム王子は、子どもたちに対するメディアのアクセスも制限しているので、幼いジョージ王子、シャーロット王女がメディアの前に姿を見せたことはごくわずかで、代わりに王室は、キャサリン妃が撮影した写真などをしばしば公表している。
ダイアナ英元妃の事件に懲りた英国新聞は、ウィリアム王子一家に協力的だが、廃刊した英大衆紙のニール・ウォリス元編集長は、現在の批判は、メディアや大衆の欲求不満の表れだとラジオで語った。
ニール氏は「ものすごく単純に、大衆はこの若いロイヤル・カップルを愛し続けたがっている。だから、われわれが王子一家について知らされていることと言えば、どれほど少しだろうという当然の疑問を抱く」と続けた。
一方で、英夕刊紙イブニング・スタンダードの王室担当編集者ロバート・ジョブソン氏は、各紙は王子一家のスキー休暇について後になって知ったので腹を立てているだけだと語るなど、完全にすべてが批判しているわけではなさそうだ。
ウィリアム王子は、どういう考えなのだろう。